2011年12月31日土曜日

来る年に

2011年が終わろうとしています。
3月11日の東日本大震災から9ヶ月以上が過ぎました。
震災後に開設した「東日本大震災 博物館情報」サイトですが、6ヶ月が経った9月11日に書き込んだブログ記事を最後に今日を迎えています。日々の仕事に追われるなかで、震災のこと、被災地への想いが希薄になっていないかと、自分に問うこともありますが、この9ヶ月間に現地の博物館施設の状況も大きく変化してきました。現地で被災した博物館で復興に取り組んでこられた沢山の方々のご努力で、多くの博物館施設がそれぞれの機能を取り戻し、本来の活動に復帰しました。被災した文化財に対するレスキュー事業も、被災地、周辺地域、さらに全国へと広がったネットワークのなかで、大きく前進しました。しかしその一方で、未だ復興の道筋が見えない施設もあります。文化財レスキューも、被災した資料の全貌からすれば、未だようやく登山道の入口に立ったばかりで、本格的な道のりはこれからです。さらに、全国の施設に預けられ、修復処置を施されている被災文化財には、修復が終わったときに、帰るべき施設が失われてしまっているものが膨大な点数存在しています。被災地の復興自体、まだまだ永い年月を要することでありますが、博物館施設の復興は、さらに多くの時間を必要としています。
 こうした状況のなかで、「東日本大震災 博物館情報」のサイトも、年が改まることを機に、少しずつその在り方を見直し、できるだけ、今後の復興の歩みを、しっかりと発信する役割を果たしていけるようになりたいと思います。
 間もなく訪れる新たな年が、皆さまにとって佳き日々でありますことを、心よりお祈り申し上げます。

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