2011年7月29日金曜日

シンポジウム「災害と博物館~災害時に博物館ができること~」のご案内

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平成23年度 吹田市立博物館夏季特別展関連シンポジウム
日本ミュージアム・マネージメント学会(JMMA)
平成23年度 第2回近畿支部研究例会
「災害と博物館~災害時に博物館ができること~」のご案内
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3.11の発生後、多くの人々が「私に何ができるか」を考えました。
では、博物館は災害時にどんな貢献ができるのか。東日本大震災で多くの博物館や文化財が被災している今、そして、博物館に氷河期が到来している今、博物館の存在意義とは何かをあらためて問い直すべきではないでしょうか。世界の博物館の取り組みや関西発の文化財保全の取り組みなどを議論するなかで、われわれに何ができるのか、文化財に関わる関係者や市民一人一人が考えるきっかけにしたいと思います。

 大学関係者、文化財保護関係者、博物館関係者、市民の方々、また博物館の災害対応に興味を持っている学生の皆さんなど、たくさんの方のご参加をお待ちしております。

1.開催日時・会場
日時: 平成23年8月7日(日) 14:00~16:00 (13:30開場)
会場: 吹田市立博物館 2F講座室 (定員120名:先着順)

2.主催
吹田市立博物館、日本ミュージアム・マネージメント学会(JMMA)近畿支部

3.後援
全日本博物館学会、日本展示学会

4.プログラム (司会:黒岩啓子)
 13:30-14:00 開場・受付
 14:00-14:05 開会のあいさつ(吹田市立博物館館長 小山修三)
 14:05-14:35 講演(国立民族学博物館准教授 林勲男氏)
 14:35-15:05 講演(近大姫路大学講師、歴史資料ネットワーク副代表 松下正和氏)
 15:05-15:55 パネルディスカッション
        (司会:JMMA近畿支部長・全日本博物館学会役員 井上敏、
         パネリスト:林勲男氏、松下正和氏、小山修三)
 15:55-16:00 閉会のあいさつ(井上敏)

5.参加費: 無料

6.お問合せ・お申し込み先
 E-Mail: s-inoue@andrew.ac.jp (できるだけメールにてお願いします)
 FAX: 0725-54-3202 (桃山学院大学 経営学部 井上 敏あて)

7.吹田市立博物館へのアクセス
 〒564-0001 吹田市岸部北4-10-1 TEL: 06-6338-5500


【詳細な問い合わせ等】
 http://www.suita.ed.jp/hak/riy/riy.html

(サイバーネットワーク/鎌田)

2011年7月21日木曜日

宮城県石巻市の民俗資料保全に関する調査報告

皆さま、半田です。

新潟大学、多田さんから、飯島康夫氏(民俗学)による、宮城県石巻市の民俗資料保全調査の報告をいただきました。
転送させていただきますのでご参照下さい。

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宮城県石巻市民俗資料保全調査報告

2011年7月19日
飯島康夫

 2011年6月28日(火)~30日(木)の期間、宮城県教育庁からの依頼により宮城県石巻市に出張し、地震および津波の被害を受けた民俗資料の保全活動に加わった。

 新潟からの参加者は、新潟大学2名、新潟県立歴史博物館1名、新潟市歴史博物館2名の計5名の民俗学関係者で、今回のわれわれ新潟からのメンバーの活動は、新潟大学災害・復興科学研究所のプロジェクト活動被災者支援研究グループにおける調査活動の一環として行われた。なお、新潟大学と新潟県立歴史博物館の3名は、28日・29日の2日間のみの参加であった。

 前日の27日に仙台市に入り、28日からは、宮城県の被災文化財等救援委員会現地本部の置かれている仙台市博物館に毎朝7時30分に集合し、車に分乗して約3時間かけて石巻市の現場に移動、民俗資料の保全活動を行い、14時30分~15時に現地を撤収するという作業日程であった。作業は、国立民族学博物館チームの指揮のもとで行われ、東文研をはじめとした国立文化財機構チーム、東北学院大学チームとわれわれ新潟のチームが参加した。

 保全活動の内容は、津波の被害を受けて傾いた収蔵庫から民俗資料を搬出し、いったん近接する公共施設に仮置きして、そこでラベル附け・写真撮影・照合のための資料の記録を行い、資料の一部は洗浄のため同市内にある公益財団法人施設に車で搬送するというものであった。最終的にはすべての民俗資料が東北学院大学に移送されて一時保管される。

 公益財団法人施設には別の場所から搬入された民俗資料も一時的に保管されており、2日目にはその一部の洗浄作業も行われた。

 津波の水損を受けた資料は、塩水を被ったうえに様々な付着物や臭気があり、その保全や整理には、地震の揺れによる損害を被っただけの資料とはまた別の難しさがある。被災現場からの搬出が終わっても、これらの資料を活用可能な状態にする作業は相当な時間がかかると考えられる。しかも被災したのがここ1か所だけではなく広域にわたることを考えると、長期の支援体制が必要であると強く感じた。

(タバシオ/半田)

2011年7月19日火曜日

長野県栄村、震災被災地の文化財保全活動の報告

新潟大学の矢田さんから、長野県栄村における文化財保全活動に関する報告が届きましたのでご紹介します。
なお、この報告書は「転送自由」扱いです。ご興味お持ちの方にご紹介いただければ幸いです。

○長野県北部(栄村)震災被災地における文化財保全活動(第2・3回)報告

(タバシオ/半田)

2011年7月15日金曜日

特別集会「被災地の博物館に聞く」のお知らせ

タバシオ半田です。

いつの間にか梅雨も明け、暑い夏がやってきました。
未だ復興の途上にある被災地の博物館施設の状況を考えると胸が痛みます。
こうしたなかで、文化財レスキュー活動も続けられ、全国から多くの博物館関係者が被災地に入り、現地の方々との恊働で、厳しい状況のなかでレスキュー活動を展開しています。

一方、7月に入り通常開館する施設も増えてきました。
宮城県七ヶ浜町の歴史資料館、同町の国際村は7月1日から通常の体制で再スタートしました。
特別展示室のみ開館していた仙台市博物館も7月23日から常設展示室をオープン予定です。
他にも更新情報が増えつつあります。
職員の方々のご努力に敬意を表したいと思います。

私事ですが、6月に、財団法人日本博物館協会の専務理事に選任されました。タバシオでの職務との兼任で、非常勤の専務理事として、どれほどのお役に立てるかはなはだ不安ですが、復興への取り組みも含め、できるだけのお手伝いをさせていただきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

なお、文化財レスキュー活動に関連する催しものの情報をお知らせします。
是非ご参加下さい。

特別集会「被災地の博物館に聞く」

http://www.rekihaku.ac.jp/others/assembly.html

趣 旨:
 全国の博物館職員と関係者が集い、被災地の博物館職員から震災後の状況について話を聞くことで、情報を共有し、精神的に支援するとともに、今後の連携のあり方を探ります。一般からの参加も歓迎します。

日 時 : 2011年 7月 30日 (土)13:00〜17:30

場 所 : 国立歴史民俗博物館 講堂
   (千葉県佐倉市城内町117)

日 程 :
13:00〜17:30 現地からの報告
 被災地で活動をしておられるいくつかの館と関係機関から報告者を招き、ご報告をいただきます。

  岩手県立博物館                赤沼 英男 氏(保存科学)

  陸前高田市立海と貝のミュージアム兼
  陸前高田市立博物館              熊谷 賢 氏(考古学)

  陸前高田市立博物館              砂田 比左男 氏(昆虫学)

  多賀城市教育委員会              高倉 敏明 氏(考古学)

  仙台市博物館 仙台市史編さん室         菅野 正道 氏(歴史学)

  東北学院大学 文学部/大学博物館        加藤 幸治 氏(民俗学)

  福島県文化振興事業団 福島県歴史資料館     本間 宏 氏(考古学)

申し込み不要・無料
260名,先着順

・終了後、館内で交流のための懇親会を開催。こちらは会費制で当日受付けます。

問合せ先:
 国立歴史民俗博物館 広報サービス室 サービス・普及係
〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117
 Tel.043-486-0123(代) Fax.043-486-4482
 e-mail:sfukyu@ml.rekihaku.ac.jp

(たばこと塩の博物館 半田)

遠野市立博物館の企画展のお知らせ「文化財を救え!~東日本大震災と文化財レスキュー」

■企画展の要旨
岩手県遠野市は、北上高地の中央に位置し、古くから三陸沿岸と内陸を結ぶ交易の中継地として栄え、特に今回の津波で大きな被害を受けた大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市・山田町・宮古市とは車で約1時間~1時間半の距離に
あって、歴史的・文化的に深いつながりをもってきました。
そのため遠野市立博物館と遠野文化研究センターでは、三陸沿岸の被災した文化財を回収し、応急処置を施す「文化財レスキュー」に取り組んでいます。このテーマ展では、これまでの遠野市での取り組みを中心に紹介します。
救い出された文化財は、東日本大震災を乗り越えたという新たな歴史的価値を与えられ、三陸沿岸に生きる人々の誇りとなって、未来を生きる大きな力となるものです。その被災地の文化の復興支援に携わることこそ、被災地に寄り添って生きる遠野の人々にとっての「誇り」であり、新たに刻む「歴史」となることを願って開催するものです。

■展示構成:
 ・文化財レスキューとは
 ・岩手県の図書館博物館の被害状況
 ・遠野に避難してきた文化財
 ・大槌町での活動
 ・陸前高田市での活動
 ・釜石市での活動
 ・学校教育と文化財レスキュー体験
 ・山奈宗真と文化財

 ◎会 期:2011年7月22日(土)~9月29日(木)
 ◎所在地:〒028-0523 岩手県遠野市東舘町3-9
 ◎お問い合せ先:TEL. 0198-62-2340

※詳細は下記URL≪↓≫をご覧ください。
http://www.city.tono.iwate.jp/index.cfm/25,10265,122,144,html

(サイバーネットワーク/鎌田)